ノーステップ打法でメジャーの野球に対応してみせた大谷選手
日本中の期待を背にアメリカに渡った大谷翔平選手はピッチャーとしては怪我で途中離脱を余儀なくされたものの、バッターとしては見事な成績を残し、その才能を証明するに至りました。
3月頃のオープン戦は全く打てなかったため心配するファンも多かったのですが、大谷選手はバッティングフォームを変えることでアメリカの野球に適応し、成功に繋げてたのです。
日本時代の大谷選手のフォームを見てみると、右足を上げながら打撃姿勢に入っています。
一方、アメリカに渡ってからの大谷選手は足を上げず、いわゆるノーステップ打法にフォームを変えているのです。
もちろんほかにも要因はいろいろあるでしょうが、もし打撃フォームがそのままだったらここまでの活躍はできなかったかもしれません。
さて、ここで気になるのはこの大谷選手のノーステップ打法は真似すべきかどうか、という点です。
最先端のものを真似してこそ成績は上がりやすくなる、となれば話は簡単ですが、それが真似する人にとって合わないものであれば宝の持ち腐れでしょう。
まずはノーステップ打法の良いところと悪いところをしっかりと見極めることが大切です。
真似するかどうかを決めるのはそれからでも遅くはないでしょう。
ノーステップ打法は速い球に強くなる?
そもそもなぜ大谷選手はノーステップ打法を導入するに至ったのでしょうか。
日本とメジャーの野球の違いとして、まず真っ先に挙げられるのはストレートの速さでしょう。
最近では日本人が150キロのボールを投げることは珍しくなくなりましたが、それでもまだ一握りの選手だけが投げられるのが現状です。
一方、メジャーの選手は誰もが150キロを投げられるのが当たり前で、トップクラスの選手になると160キロまで出せるくらいになります。
もし日本でバッターをするときのように足を上げていたら、その間に豪速球がやってきて、体重移動をスムーズに行えないままボールを打たなければいけません。
その点、ノーステップ打法ならいつ球が来てもいいような体勢が整っているため、豪速球にも対応できるようになるのです。
大谷選手がノーステップ打法を採り入れているのはこれが一因と考えられるでしょう。
また、ノーステップ打法のメリットは軸がぶれづらいことも挙げられます。
バランス感覚に優れている人ならともかく、たいていの人は足を上げると若干バランスを崩してしまいます。
変化球のような遅い球が来てタイミングをずらされたりしたら、なおさらバランスは崩れやすくなるでしょう。
ノーステップ打法なら軸がぶれないので、どんな球が来ても対応することができます。
ノーステップ打法は力が伝えづらい?
ここまでノーステップ打法のメリットばかり見てきましたが、次はデメリットを学んでいきましょう。
それを考えていくには、まず足を上げる打法のメリットを考えることが大切です。
普段から足を上げてバッティングを行っている人はなぜ足を上げるのでしょうか。
そうした方が勢いがついてボールに力が込めやすくなる、と答える人がほとんどでしょう。
具体的には一度足を上げることで体重を後ろに残し、その後足を下げることで溜まった体重を打球に込めやすくなります。
このように強い打球を飛ばすためには足を上げることが欠かせないのです。
一方、ノーステップ打法のように足を上げない打ち方はどうしても球に力が込めづらくなります。
足を上げるときに比べて体重は後ろに残りづらくなりますし、打球も弱くなりがちです。
なぜ大谷選手はノーステップ打法でホームランを打てる?
ここまでの話を聞いてきて不思議に思った人もいるかもしれません。
大谷選手は打球の力が伝わりづらい打法でなぜ日本時代と変わらずホームランを量産できるのでしょうか。
一つの理由には大谷選手が大変体格の良い選手である、ということが挙げられます。
彼の背丈はメジャーの選手たちと比較しても遜色ないほどに大きいです。
それだけ持ち合わせているパワーが違うということも意味します。
たとえノーステップのように力が込めづらい打法といえども、元々パワーが強い選手ならば対応するのに苦労は少なくなります。
過去には大谷選手だけでなく多くの日本人選手がこのノーステップ打法を採り入れてきました。
しかしながら、ほとんどの選手が上手くいかず改めて足を上げる打法に変えているのが現状です。
日本人でこれを使いこなせるのは大谷選手のような力強い肉体を持ち合わせている人に限られているのかもしれません。
まとめ:ノーステップを導入するときは慎重になろう
自分はパワーに自信があるからノーステップ打法をやってみようという人は多いかもしれません。
力はあるけれどなかなかバットにボールが当たらない、というときはノーステップ打法のメリットが活かしやすくなるので真似してみるのも一つの手でしょう。
とはいえ、最初のうちはやはり力が込めづらくなるのに苦労することが多くなるかもしれません。
自分なりのノーステップ打法を編み出しながら成績に繋げるようにしましょう。
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